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社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)「プリンターズサークル」1月号へ寄稿]
http://www.jagat.or.jp/BOOKS/PCsale/saleindex.html
問題:1998年に設立され、急成長していまや従業員数は電通グループとほぼ互角。売り上げは3分の1だが利益は5倍。ちなみに支出には従業中の食事代も含まれる。この企業名を当ててください。
ヒント1:2006年11月から3カ月間試験サービスではあるが新聞向け広告の仲介事業に乗り出した。扱う媒体はニューヨークタイムズやワシントンポストなどアメリカの50紙。全発行部数は1500万部以上。
ヒント2:2014年のメディアの未来を語ったムービー「EPIC2014」(http://probe.jp/EPIC2014/)の主役。
彼らの収益のほとんどがアドワーズ、アドセンスと言う「データマッチング」サービスに付加した広告の提供によるもの。初めは彼らがもつ検索エンジンと自社ポータルサイトで集客し、掲載の「お手本」を示した。サイトと言っても世にあるデータ情報をユーザーの求めに応じて提供しているだけなので、自らコンテンツを創出してはいない。トップページは検索のために必要なキーワードを打ち込む「窓」が用意されているだけ。よって、新聞広告枠を仲介することは彼らにとってはこれも「データマッチング」なのだから別に特別なことではないのだろう。米国の新聞広告市場は480億ドルある。マーケットがあれば、マッチングを行い仲介料をもらう。賃貸マンションやお見合い相手を紹介するあっせん業とスキームは同じ。だから新聞だろうが雑誌だろうが、ゆくゆくはテレビを売るかもしれない。
広告会社は、これまでメディアとの強固な関係により業態を確立してきた。大手、中堅、地方等々ある程度業務範囲を規定しながら共存してきた。もちろん、特定業界での規制やベンチャーの進出により栄枯衰退も経験してきたが、敵対的買収にまで発展する競争激化や政府の規制緩和政策下、ますます大手企業のマーケティングには広告予算が不可欠になり、しかもご都合主義も手伝ってGDPに比例し今後も成長するものと信じている。ただ、落とし穴もあった。サイトという膨大なメディアの増加と、それ自体が雑誌の廃刊・新刊のサイクルでは想像のつかないレベルで、目まぐるしく新陳代謝を行うという現象を読めなかった。
Web1.0とされる20世紀末のIT黎明期(れいめいき)、そこにはマスメディアから応用されたバナー広告というスペース(枠)を販売するモデルでの売り上げを期待して、さまざまな企業がメディアを構築して参入し、群雄割拠の後、ITバブル(伊藤穣一氏はこれを「Bubble1.0」と呼ぶ)がはじけていったん淘汰され、Web2.0が到来。消費者自身がブログ、SNSといったCGMと呼ばれるメディアを持ち始めると、冒頭の会社がいち早く広告スペース(枠)を確保した。それも一度も足を運んで営業もせず、接待もしない。その効果も等身大のレコメンデーションならでは、コンバージョン(インターネットのアクセス数に対する資料請求、会員登録、購入など利益につながるアクション)が高いので広告主も喜んでくれる。
そして、前述のとおりマスメディアさえも、“食い物”にされてしまった。「データマッチング」業者によって、『情報商社』とも称された広告会社が窮地に立たされている。2014年前の2011年完全地上波デジタル時代までにテレビ視聴はニュースと生中継のみで、後はすべてネットワーク経由でのオンデマンド視聴になるとする評論家もいる。デバイスは液晶ディスプレイに接続されたネットワーク端末、または移動体端末だろう。
今年から変わらないとだれも相手にしてくれなくなる。