インターネットは「メディアム」
インターネットをひと昔前では「第5のメディア」とか「ニューメディア」と呼ばれる方も多かったが、ご承知のとおり、企業のポータルサイトで商品・サービス情報を探したり、ポータルサイトやテレビや雑誌のサイトを徘徊するといった「メディア」としての接触だけでの利用にとどまっていない現状を踏まえ、今ではむしろ「生活の一部」と捉えるほうが正しいという認識が高まっている。
表のデータをご覧いただきたい。2002年と2007年の一般生活者の平均消費時間を比べると全体的な数値として1日のメディア接触時間は21分増加しているように見える。お察しのとおりマス媒体のうち、テレビのみ11分と大幅にスコアを落としている。反対に20分増加しているのがWebおよびメール、続いてPC利用による仕事やゲームが14分増えている。合わせると34分も伸びたことが分かる。特にM1(男性の20~34歳まで)、M2層(男性の35~49歳まで)に限っては既にテレビを抜いてしまったかのようだ。
ブログやSNSなどのいわゆるCGM(Consumer Generated Media)の成長によって、6月の毎日新聞WaiWai事件のように、巷(ちまた)の話題もCGMを起点としテレビ、雑誌などで拡散するような傾向が増えてきた。確かにこう見ると「インターネット=メディア」として捉えられがちだが、このデータはあくまで「消費時間」であり、これがメディア接触時間であるという方程式を勝手に作ってしまったがための誤解が生じている。もうお分かりの方もいらっしゃると思うが、「インターネット=メディア」と解釈するのなら、この「消費時間」にはメールの利用時間が含まれていること自体がおかしいわけで、これは省く必要がある。
がしかし、近い将来、NGN(Next Generated=Network)やユビキタス化による情報家電が生活の大半を占めるようになると、これまでメディアとは程遠かった冷蔵庫や電子レンジさえもネット接続して、レシピ検索やカロリー計算ができるようになる。もしかしたら、毎朝顔を洗って歯を磨いている洗面台やドレッサーで化粧をしながらメールチェックや、VOD(Video=On=Demand)で昨晩見られなかった番組を観ることも可能になる。これら生活の1シーン1シーンでの接触が可能になると、双方向コミュニケーションだって成立するようになるかもしれない。つまり、数字だけが先行している現状が、近い将来、具現化するわけだ。その際のデバイスは当然、多岐にわたるわけだから、クリエイティブも大変だ。
英語では「メディア」の単数形を「メディアム(Medium)」という。メディアムには手段、方法という意味があり、広告主には、PCや携帯向け企画だけでなく、こうしたメディア本来の役割を認識した戦略を練ってもらいたいと願っている。